”安全”はどうやって保障される?

2008年5月11日 19時05分 | カテゴリー: まちづくり

学習院大学自然科学研究棟(仮称)建設説明会

 目白の学習院大学のキャンパスの南側に新しく建設が予定されている施設についての説明会に出席しました。

 自然科学等研究棟(仮称)とのことで、バイオ系の実験施設を持つ地下1階地上9階建ての建物になります。最近、鶏インフルエンザに感染した白鳥が発見されるなど、研究機関が増えることは大事なことだと認識しています。ただどこにそれを建てるのかに始まる「バイオハザード」の危険性については世界的にも問題になっていることもあり、周辺住民の方々が大きな危機意識を持っていることは事実です。
 
 今日は4回目の説明会だそうですが、設計と工事をする業者のほか、学習院大理学部の教授陣が出席して主な説明と質疑に対しての回答を行いました。私は今日初めて出席したのですがこれまで学校法人側の専門家の出席がなかったことには驚きました。

 学校法人側はあくまでも”今度の施設は危険なものという認識は全くない”とのことで、あらゆる面で法律を遵守していることを強調されていました(それは当然)。
 
 P3レベルのような病原菌やウィルスを使用する実験は一切しない、P1レベルの実験施設であるとの説明で、先日AERAなどに報道された”学習院大にP3施設”は間違いであり、かつての説明会で設計会社から”P3施設”との発言があったことは全くの勘違い、との説明でした。学校側としては出版社に抗議中であること、設計会社からは説明会で発言した当該社員は長期療養中(?)であることなどが説明されましたが、施設予定地のすぐ下に暮らす住民の皆さんとしては納得には程遠い印象でした。

 いくら専門家が”安全だ”と言ってもあとになってそうではなかった事例はいくつもあります。安全だというからには、そして地域の学校として共生していくためには、数値的な検証を定期的にしていくこと、そして”研究上の機密”であり”セキュリティの問題”といって出し渋る危機管理マニュアル的なものをきちんと示すことが必要なのではないか、と思いました。

 説明者側の”バイオ施設の建設に関してのWHOの勧告”に関する認識も十分だとは思えませんでしたし、法律に遵守することは当然ですが、世界的にみると日本の法整備が進んでいるとは思えない部分も多分にありますので、その辺についてもう少し住民の理解を得られるような方向性を示してもよいのでは、という印象をもちました。

 写真にあるように建築予定地は森になっている場所です。学習院の緑被率は何と40%とのことです(区全体では12.4%)。今回の伐採でそのうち1%減少するそうですが、その分はそもそもこの研究棟の建築予定地であった、より南側(今回反対している方たちの多くが暮らすマンションにより近い場所)である南8号館を解体して木を植えることで全体の緑被率は変わらないそうです。

 研究を進め、広い意味で多くの人にとっての利益になること、世界の中での日本のあり方についての冷静な判断をすること、その一方で周辺の人たちの理解を得ること、これらは本当に難しい問題です。長い目で見る必要があることも痛感します。
 でも何よりも今求められていることは、もっともっと広い範囲(すぐ下のマンションだけではなく)に対しての正確でタイムリーな情報公開ではないかと思います。